カンティ・サクレ

Fifth Concert

~いろとりどりな歌~

 

2015年 7月25日(土)

開演13:30

いずみホール

 

 

 

 

16世紀のイタリア・スペイン・イギリスの教会で、パレストリーナ・ヴィクトリア・タリスの教会音楽が荘厳に響き亘っていた頃、日本の寺社に於いては、雅楽の主役の楽器のひとつである「笙」の音が静かに厳かに鳴り響いていました。

〈朝の頌歌ほめうた〉は西洋の語法で書かれた女声合唱と「笙」の音が響き合う幻想的な作品です。

 

1900年に日本人による初めての合唱曲と言われる〈花〉が滝廉太郎によって作られ、その14年後の1914年には、日本の大衆歌謡の走りと言われる〈カチューシャの唄〉が日本初の歌う女優・松井須磨子によって歌われ絶大な人気を博しました。〈カチューシャの唄〉が終曲に並ぶ『近代日本名歌抄』は、その時代の歌たちが信長貴富さんという現代人のフィルターを通して新たな歌として、再創造されたものです。

さらに〈カチューシャの唄〉からちょうど100年後の2014年に、同じく信長貴富さんは、斬新な音使いで、明治から大正・昭和と生きた女傑・与謝野晶子を『不可思議のポルトレ』という作品で描き出しました。

 

今回の演奏会には、このように洋の東西・時代・ジャンルを越えた「いろとりどりな歌」たちが集まりました。

 

そして、カンティ・サクレの大きな特徴のひとつは、関西を中心にアンサンブルピアニストとして大活躍中の平林知子さんが指揮者を務めておられ、その平林さんの弾き振りによる演奏を、演奏会のみならず、合唱祭やコンクールなどでなさっていることだと思います。

本日も『近代日本名歌抄』は平林さんによる弾き振りです。

 

音楽監督・常任指揮者  雨森文也

 

音楽監督・常任指揮者/雨森文也

専任指揮者・ピアノ/平林知子

笙/田島和枝